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2019年11月06日

ハリウッド・ゴシップあらすじ

楽しかったハリゴシ期間も終わってしまいました。楽しい思い出を青春の小箱に入れる為の覚書。

主な配役
コンラッド・ウォーカー/彩風咲奈
エステラ・バーンズ/潤花
ジェリー・クロフォード/彩凪翔
ハワード・アスター/夏美よう
アマンダ・マーグレット/梨花ますみ
セルマ・ブラウン/千風カレン
ロバート・バークリー/真那春人
マリオ・コンテイーニ/煌羽レオ

以下簡単なあらすじ。


第一幕

S序・ハリウッド・ゴシップ①
ラジオ番組「ハリウッド・ゴシップ」からは今日もスターたちのゴシップネタが流れてくる。ハリウッドでは仮装舞踏会が行われ、ドラキュラ伯爵の扮装で登場した若手スターのジェリー・クロフォードがベストドレッサー賞を受賞した。そのジェリーの所属するエンパイア・フィルム社は第二のジェリーを探すべく新人発掘オーディションをするという。次のスターはラジオを聞いている貴方かもしれない。

S1・エンパイア・フィルム社(スタジオの一角)
スタジオの一角で次回のトーキー映画の主役オーディションが行われている。座っているのはエキストラのコンラッド・ウォーカー。オーディションは演技を見る事もなくすぐに終わった。コンラッドはこのオーディションが駄目だったらエキストラを辞める決意をしていた。

S2・エンパイア・フィルム社(「踊る闘牛士」撮影スタジオ)
スタジオでは「踊る闘牛士」の撮影が行われている。センターで踊るのはマタドールの格好をしたコンラッド。監督の「カット」の声が掛かるとコンラッドが「目を瞑ってしまったので、もう一度撮り直して下さい」と言う。監督のロバートは「お前はエキストラで顔は映らない。体のクローズアップと後ろ姿しか映らないんだから目を瞑ろうが口が開いていようが関係ない」と怒る。
そこにインタビュアーと共に若手スターのジェリーが現れた。ジェリーは自分と同じ衣装を着ているコンラッドを見ると「なんでエキストラが僕と同じ服を着ているんだ」激怒する。監督は「ジェリーがダンスが下手だから顔のアップ以外は吹き替えを使えと言われた」とつい洩らしてしまう。怒ったジェリーは腹いせに「次回作の主役は誰か教えてやろう、それはこの僕だ」とオーディションのヤラセをばらしてしまう。
それを聞いたコンラッドはセットを飛び出して行く。

S3・エンパイア・フィルム社(重役室)
重役室ではプロデューサーのハワードと秘書のセルマがジェリーが見つけた次回作のヒロイン候補であるエステラの映像を見ている。そこにコンラッドが飛び込んでくる。「次回作の主役はジェリーだというのは本当ですか?」しかし「そんな事はよくある事だ」と相手にもしてもらえない。
そこに大女優アマンダが入ってくる。ジェリーの差し金で出演予定の映画を勝手に下ろされたアマンダはプロデューサーに食って掛かるが逃げられてしまう。
コンラッドから次回作のオーディションのヤラセ話を聞いたエステラは「まさかオーディションに合格する気でいたの?」と呆れながらも「貴方をスターにしてあげる、付いて来なさい」と家に連れて帰るのだった。

S4・ハリウッドの街~アマンダの邸
ハリウッドの街はスターたちのゴシップ話で持ちきり。そんな中、アマンダ邸に連れて帰られたコンラッドは身なりを整え、スターとしての立ち振舞いをアマンダに教わるのだった。

S5・アマンダ邸
美しいスーツに身を包んだコンラッド。すっかりスターの装いである。最後のレッスンはタンゴ。タンゴのレッスンをアマンダの執事のピーウィーから習う。

S6・ダンスホール
ダンスホールの真ん中で踊るのはイタリア製のシルクのスーツに身を包んだコンラッド。女性客たちはコンラッドと踊る為に順番待ちをしている。すっかりスターの風体のコンラッドは「まさか貴方が第二のジェリーなの?」と女性たちに追いかけられる。

S7・ダウンタウンのダイナー
寂れたダイナーに逃げ込んだコンラッド。そこではデビュー前のエステラがウェイトレスとして働いていた。コンラッドはエステラに自分はエンパイアフィルム社のキャスティング担当だと思わず嘘をついてしまう。

S8A・ハリウッド・ゴシップ②
ラジオ「ハリウッド・ゴシップ」の本日のゴシップネタは新人オーディションがヤラセだったとばらしたジェリーの話。さて、エンパイア・フィルム社のプロデューサーはこの崖っぷちをどう対処するのか?

S8B・制作発表記者会見
オーディションはヤラセだったのかと詰め寄られるプロデューサーだが「まずはこの主役の2人を紹介しましょう!ジェリーとエステラ」と紹介する。「シンデレラストーリーにはやはり女性がお似合いでしょう?」と新人のエステラを披露しその場をやり過ごす。
記者に囲まれインタビューを受けるジェリーとエステラ。「次回作はどんなお話ですか?」との質問に「そんなの分かる訳ないじゃないか、まだ何も決まってないんだから」とジェリー。そこに「次回作はサロメよ、そして脚本を書くのは私」と言い放つ人が現れる。
その人こそアマンダだった。アマンダは続けて言う「そしてこの作品のもう一人の主役は彼よ、コンラッド・ウォーカー」スポットライトが当たり颯爽と登場するコンラッド。「オーディションでプロデューサーのハワードさんが僕を気に入ってくれたんです」と嘘っぱちを言いながらカメラ目線でスター演じていくコンラッド。引っ込みがつかなくなるプロデューサーのハワード。これはアマンダとコンラッドの仕組んだ茶番劇だと気づき怒って退席するジェリー。

S9・アンバサダーホテル(控室)
控室にはコンラッドとアマンダが。二人は制作発表会で上手く嘘をついてしたやったりと笑いあっている。そこにジェリーがやってくる。怒り心頭のジェリー。
ジェリー「あの茶番劇はなんだ、あんなんじゃ観客は喜ばないぞ」
アマンダ「愛してもいない年増女優に薔薇を贈ってその気にさせたのは貴方の方よ」
ジェリー「君だって別れの手紙にジンを落として涙のフリをしたじゃないか」
そんな言い合いをしている所にプロデューサーのハワードが入ってくる。「映画の成功は間違いない!」と会長に褒められたと喜ぶハワード。「それならサロメの脚本は私で決まりね」と計画通り事が運んだ事を喜ぶアマンダ。納得のいかないジェリー。

S10A・エンパイア・フィルム社(「サロメ」撮影スタジオ①)
「サロメ」リハーサル初日。撮影スタジオではリハーサルが行われている。監督が動きを確認していると、サングラスをかけたジェリーが2時間遅れでスタジオに入って来た。監督に自分の役がヘロデ王だと聞いたジェリーは「サロメなんて悪趣味な話だ」と呆れる。そこへ譜面を持ったコンラッドが「いい案を思い付いたんです」と入ってくる。ヘロデ王の登場時の歌というそれはジェリーへの嫌みにも聞こえる内容だった。コンラッドが考えた演出に腹を立てたジェリーは出て行ってしまい、撮影は中断する。ジェリーを追いかけるエキストラのマリオ。
監督は少し休憩してから撮影を再開しようと言うが、コンラッドは「あんな我が儘スターを待つのはゴメンだ」と反発する。もう一人の主役であるコンラッドにそう言われてしまい、仕方なく本日の撮影を中止する監督。自分の一言で撮影が中止になった事がおかしくて仕方ないコンラッド「このセリフ、エキストラの時にいつか言ってみたいと思ってたんだ。そうだ撮影も中止になったし素敵なレストラン見つけたからごはんにでも行かないかい?君が働いていた安っぽいダイナーとは全然違うよ」と。それを聞いたエステラは背中を背けて「ジェリーの様子を見てくるわ」と出ていってしまう。

S10B・エンパイア・フィルム社(コンラッドの心象風景)
一人佇むコンラッドが歌う。僕はまだ夢の途中、描いた夢の続きはどこに…。
コンラッドとすれ違って行くジェリーとエステラ、そしてエキストラたち。

第二幕

S1・エンパイア・フィルム社(「サロメ」撮影スタジオ②)
映画「サロメ」のセット。ヘロデ王の扮装をしたジェリーと、サロメの扮装をしたエステラが演技をしている。熱の入った演技だが、肝心な所でセリフを間違えるジェリー。「カット」をかける監督。「何で止めるんだ」とジェリーは怒る。自分の失敗に気付いていないジェリー。様子もおかしく、足元もおぼつかない。助監督が控室に連れて行こうとすると、ふらつきながらも「自分で歩ける」とフラフラと控室に戻って行くジェリー。追いかけるマリオ。また撮影が中断してしまった。
プロデューサーはコンラッドに「君と新しい契約をしたいんだ」と言われるが「エージェント通して」と取り合わないコンラッド。すっかりスター気取り。
ジェリーの所からマリオが戻ってくる。イライラしているコンラッドに「いいものがあるぜ」と薬を渡す。それを見て驚くコンラッドに「これは初心者向けだ、もっとキツイやつはジェリーみたいな上客に売ってる」と言うマリオ。怒ったコンラッドは渡された薬を投げ返しながら「金儲けがしたいなら、せいぜいジェリーの事を骨抜きにしろ」と捨て台詞をはいて去って行く。

S2A・B ハリウッドの街~ダウンタウンのダイナー
ダイナーに佇むエステラ。店に入って来たのはコンラッド。「どうしたの?」と驚くエステラに「撮影の帰りだ」と答えるコンラッド。ポツリポツリと自分の生い立ちを話し出す二人。家を出て行った父親、他界した母親は泣きながら酒を飲む日々だった、「私を愛してくれる人はいるのかしら?」と言うエステラに「君の事を好きな男なら一人知ってる」とコンラッド。
エステラ「それってジェリーの事?」
コンラッド「え?あ…うん」
エステラ「そんな風に思ってたの?違うわ、彼は自分しか愛せない人、だからこそ映画の中の完璧な世界の恋人なのよ」
エステラ「お願い、ジェリーと仲良くして、折角の映画を駄目にしないで」
「わかった、約束するよ」とコンラッド。

S3A・B エンパイア・フィルム社(スタジオの一角)
ヘロデ王に扮装したジェリーが王座の前にいる。足元はふらつき、どこか遠い目をしているジェリー。自分の影が自分なら完璧なスターを演じれるのに…現実と虚像に挟まれたジェリーが悲しく言う。
コンラッドがやってきて「君が薬をやってるのは知っている」それを笑いながら「お前の首をいつか切ってやる、ヨハネの目の前でな」と答えるジェリー。コンラッドへの答えではなくヨハネへのセリフ、現実と虚像の境目を漂うジェリー。

S4・5A ハリウッド・ゴシップ③~エンパイア・フィルム社(廊下)
ラジオ「ハリウッド・ゴシップ」は今日も映画スターたちのゴシップを放送する。ジェリーとコンラッドの不仲はどうなった?ジェリーとエステラは付き合っているのか?
今日は映画「サロメ」の公開撮影日。集まって来た記者たち。薬漬けのジェリーの様子を知っているコンラッドは公開撮影を中止するようにプロデューサーに言うが聞き入れられない。

S5B エンパイア・フィルム社(「サロメ」撮影スタジオ③)
撮影スタジオにプロデューサーと記者たちが入るとそこにはいつもなら遅れて来るジェリーが既に衣装を着替えて早々とセットにスタンバイしている。既に役に入っているようだと判断したプロデューサーはカメラを回させる。
7つのベールのダンスを踊るサロメと誘惑されるヘロデ王。ヘロデ王役を演じているジェリーは途中から幻想に怯え…そしてセットから転落してしまう。

S6A エンパイア・フィルム社(正門前)
エンパイア・フィルム社前に集まった記者たち。これはとっておきのゴシップのネタだ、ジェリーはセットから転落した?それともスターの座から転落した?
正門前で記者たちにジェリーの容態を説明する秘書のセルマ。「ジェリーは病院に運ばれ意識不明の状態です」そこにジェリーの病院に行こうとしたコンラッドとエステラが出てくる。
記者はコンラッドに「ライバルを薬漬けにして蹴落とした気分はどうですか?あなたの友人で3日前に捕まった麻薬のバイヤーのマリオがジェリーに薬を売っていたのを知っていますよ。あなたがマリオに『ジェリーを骨抜きにしろ』と命令していたのを複数のエキストラが証言していますよ」と言う。
プロデューサーが出てきて映画をジェリーとのダブル主演ではなく、コンラッドを主演にして撮り直す事を記者に話す。そしてそれがまた新しい次のゴシップニュースとなる。エステラは静かにその場を去って行く。

S6B ハリウッドの街角
街角を肩を落として歩くコンラッド。自分が幼い頃から描いていた夢は本当にこれだったのか…。

S7 アマンダの邸(居間)
アマンダの邸に戻ってきたコンラッド。映画「サロメ」はコンラッドが主役で書き変えられる事になった事を伝えると「おめでとう、あなたの夢が叶ったわね」と。
ハリウッドは嘘と虚像の街。
観客の喜ぶ嘘で塗り固められている。
自分が何をしたいのか、何が欲しくて何がいらないのか。
誰を愛しているのか、誰を憎んでいるのか。
でも、これで貴方もスターの仲間入りよ。
ハリウッドへようこそ。
それを聞いたコンラッドは「ジェリーを愛していたんですね」と静かにアマンダを抱きしめ…そしてアマンダ邸を後にする。アマンダ邸にはアマンダの泣き声が響いていた。

S8A・B ハリウッド・ゴシップ④~ダウンタウンのダイナー
ラジオ「ハリウッド・ゴシップ」この日の放送はいつものゴシップニュースではなかった。ウォール街大暴落の影響でエンパイア・フィルム社は破産申告を申請し、映画「サロメ」も中止が発表された。この撮影中に事故にあったジェリーの様態は山場を越えたそうだ。
ラジオが流れるダイナーにはウェイトレスの格好をしたエステラの姿がある。エージェントを辞め、以前の様にダイナーで働き始めたのだった。店のドアが開き一人の男が入ってくる。お世辞にもお洒落とはいえない服を着ているその男はコンラッドだ。久しぶりに再会した二人。
コンラッド「昔の仲間と自主映画を撮る事にしたんだ。よかったらヒロインになってくれないか?」
そして二人は初めてお互いの本名を言い合う。
スポットライトはいらない。
この場所が僕たちの場所だ。
映画には映らない夢の続きを二人なら作って行ける。

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