Search


Archives

2013年09月09日

子宮筋腫手術をした話。

覚書として書いておきます。
先生は本当によくしてくださって感謝です。予定よりも入院が長引き、松竹座の初日に間に合わなくて、本当に本当に落ち込んだんですけどね、今思えばこれも健康であればこそですし。
でも現場があると思えばしんどい治療も頑張れますね。ほんと私よく頑張った!

去年の5月、電車に乗っている時にふと足を見ると左足だけが異常にむくんでいる事に気づきました。その時はコンサートの帰りだったので2回公演立ちっぱなしだったからかと、さほど気にしませんでした。
それから暫くが過ぎ、一日外出し歩き回った日の夜にむくむ事が多い事に気づきました。が、やっぱりこの時点でも「沢山歩いたからむくむよね~」と特に何も対処せず。
しかし冬になった頃にウエストサイズは変わらないのにパンツの左足だけがきつくなり、Mサイズを履いていた靴が左足だけLサイズじゃないと入らなくなる。仰向けにはなれるが、うつ伏せになるとお腹が痛くて10秒と持たない。右を下にして横にはなれるが、左を下にして横になれない。更にやたらと体がだるい…。
これはさすがにヤバイだろうと思いやっと病院に行く事にする。が、どこの病院に行けばいいのだ?外科か?整形外科か?それとも鍼とか整体の方がいいのか?ネットで調べてもどうしていいのかわからないので、結局近所の内科に行く。
今年1月の正月休み明けてすぐの事でした。

内科の先生はむくんだ足を診察した後、尿検査、レントゲン撮影、心電図、血液検査を行いました。血液検査の詳しい結果は後日に出るとの事ですが簡易検査では異常はなく、他の検査結果もパーフェクトに健康そのもの。でも左足だけむくんでるのはおかしいと、何度も足を触ったり写真を撮ったりした後、ベットに横になるように言われ腹部を触診。押されると痛い部分があったのでエコー検査をしました。妊婦さんがお腹の赤ちゃんを見るアレです。そこで、やっと異常を発見。お腹の中に大きな筋腫がある事がわかりました。「筋腫のサイズがとても大きいので手術になるでしょう」と大きい病院の婦人科の紹介状を書いてくれ、総合病院の予約もしてくれました。

2週間後の1月末、紹介された総合病院の婦人科へ。血液検査や内視鏡検査、エコー検査など一日が検査で終わりました。更に別日にMRIとCTの撮影もしました。一週間後、検査結果を聞きに行きました。
結果は子宮筋腫が3つ出来ているとの事。筋腫は先生が今まで見た中で一番大きく、しかもブドウの様に3つが房になってくっついているそうです。一番大きい筋腫は直径約13センチ、小さい物でも8センチとの事。その房状の筋腫が左側に寄っていて、肺や胃などの臓器を押し上げていると輪切りになった腹部の映像を見ながら説明されました。足がむくんでいる理由は一日立ちっぱなしだと筋腫が下がってきて左足の血管を押しつぶしていて血の巡りが悪くなっていたんだろうと言われました。そういえば1月頭に行った内科でレントゲンを撮った時に、肺が人より上にあがっているのでと何ちゃらという名前の病気の疑いを掛けられたんだったと思いだしました。お腹の中に直径13センチ10センチ8センチのボールが3つも入っていると思ったらそりゃあ内臓も押し上げられるだろうねぇとぼんやり。

「何で今まで気づかなかったんですか?生理不順はなかったですか?出血はなかったですか?」と聞かれるが、生理痛は酷かったが我慢出来ないほどではなかったし、生理不順もなかった、出血もなくて健康そのものだったんだから気づかなくても仕方ないよね。
直ぐに手術なのかと思っていたが、筋腫が大きすぎてこのまま手術をすると体に負担がかかりすぎるので偽閉経して月経を止めて筋腫を小さくしてから手術をする事になりました。

2月から注射がスタート。4週に一度注射を打ちに行きます。注射自体はさほど痛くないが、偽閉経しているので更年期状態になった事が辛かった。のぼせた様になったり体温調節が上手く出来ず汗がダラダラと出ている状態。5月ぐらいからクーラーが付けたくて仕方ないが付けると家族は寒いと言う。これが一番参った。仕方なく扇風機の前にずっといて過ごしていました。

7月に入り、13センチあった一番大きい筋腫は10センチぐらいに縮んでいました。
これなら手術も可能との事で7月下旬に予定通り入院する事になりました。開腹手術で筋腫を取る手術です。予定では2時間ぐらいの手術で10日ぐらいで退院できるそう。今後の事を考えると(出産だけでなく更年期とかの事も含めて)筋腫だけを取り、子宮は残したいと説明を受けたが、こればっかりは開腹してみたいと中の状況がわからないので、どうなるかはわからないとの事。また指から酸素を計るのでジェルネイルは取っておくように言われました。

◆入院1日目(手術前日)
10時に検査をして、ランチ食べに外出。13時に入院。あれこれ入院の事や病棟の決まり事など説明を受ける。この日は夕飯も普通に食べる。シャワーも浴びてスッキリ。寝る前に下剤を飲んで寝る。

◆入院2日目(手術当日)
朝食はなし。お水は10時まで(だったかな)は飲んでもいいと言われる。朝便通があったので浣腸もしなくて済んだのでよかった。
9時頃に左手の甲に点滴を打つための痛み止めのシールを貼られ貼ったまま過ごす。簡単な診察がある。術後はお風呂に入れないので午前中にお風呂に入っておく。

手術室に持って行くバスタオルや腹帯、ショーツ、ナプキンなどを用意して部屋で待つ。13時半頃と言われていたが少し遅れて14時前頃に迎えが来たので歩いて手術室に向かう。ドラマみたいにベッドで運ばれる訳ではないのかと少し残念に思いながら担当看護師に付いて行く。
ドラマでよく見る「手術中」のランプのあるドアを入るとそこは8~10畳ぐらいの部屋になっていた。事務所の受付みたいのが左側にある。そこから手術着の方が2人出てきて「担当の○○です」「麻酔担当の○○です」と説明されるがただ「はあ、宜しくお願いします」と言うばかりである。
患者間違え防止の為に名前、生年月日と病状の確認があった後、病棟担当看護師から手術担当看護師の引継ぎがあり、病棟看護師に「頑張ってきてね」と送り出される。
その部屋の奥にあるドアの上にも「手術中」のランプがありそのドアの中に連れられて入る。手術室は思っていたよりもの凄く広かった。色々な機械が置かれている。部屋の真ん中にベットがあった。その周りに沢山の人が待機している。10人以上いたように感じたけれどどうだったんだろうか。ベッドに上がる前に眼鏡を預けてしまったので何も見えなくなる。シャワーキャップのような物を被り、パジャマと下着を取る。一応バスタオルで隠してくれている、があまり意味ない気もした。ベッドに横になり背中に麻酔の注射をする。麻酔の為の麻酔を事前にしていたおかげで特に痛みはない。仰向きにされた後、「転落防止の為に固定しますね」と両手を固定された。天井のライトがドラマのまんまだなぁとぼんやり思っていると「麻酔入れますね」と声を掛けられる。そういえばクラッシックが流れていたような気もする。口元に麻酔の器具をあてられ、誰かが耳元で「1、2、3…」と数えていたような気がするが、気づいた時には病室のベッドの上だった。

誰かに名前を呼ばれ目を開けると真っ暗な中女性が2人、顔を覗き込んで私の名前を呼んでいる。あ、この人たちは看護師さんだとぼんやりと理解する。「大丈夫ですか?具合悪くないですか?手術は無事に終わりましたよ」とかそんな感じの事を言っていたかと思うけど確かではない。シュコーシュコーと何かの音がする(足の裏に付けていた血栓予防のマッサージ機だと思われる)またすぐに意識が遠くなる。
また暫くして名前を呼ばれて目を開ける。家族がいた。「大丈夫?面会時間過ぎたから帰るね」と言われ、まだ朦朧としていたが「今何時?」と聞く。「20時過ぎ」と聞いてまた直ぐに意識がなくなる。
きっとこまめに看護師さんが様子を見に来てくれていたんだと思う。人が来るとなんとなく目が覚めてしまうが、意識がはっきりとはしない。夜中に水を飲ませてくれたような気がするがもっと早い時間だったのかもしれない。腕に付けていた血圧計が定期的に血圧を計るようになってるみたいでぎゅーっと腕が締められると目が覚める。寝てるのか起きてるのかはっきりとしないまま、うつらうつらしたりなんとなく起きたり、機械の動く音とシュコーシュコーという音、血圧計の音、そんな音を聞きながらなんとなく朝を迎えた。

◆入院3日目(術後1日目)
朝、看護師さんが検温に来た時にはスッキリ起きれた。意識もしっかり。朝食はなし。スマホいじれるぐらいに元気。これは予定より早く帰れるんじゃないかと何となく思う。元来健康体なんだもの、すぐに元に戻るはずだと。
寝たまま検温したり血圧を計ったり採血をしたりする。尿を出す為の管が入っているのだが当りが悪いとそれが痛いので早く外してほしくて仕方ない。酸素チューブと心電図のチューブはすぐに取ってもらえた。
午前中に家族が来て、術後の説明をしてくれる。手術は結局4時間かかったそうだ。事前の手術予定では2時間ぐらいと説明されていたので倍もかかったので心配していたそうだ(そりゃそうだ)結局筋腫の付き方が大変だったので子宮全摘出した事になったそうだ。
昼食から全粥食。食欲あまりない。看護師の介護で立ち上がっての歩行練習。が、すぐに貧血でベッドに座ってしまい立ち上がれない。時間を空けて2度目は立ち上がれた。夕方には点滴も取ってもらえた。血栓予防の為に出来るだけ歩くように言われていたが、起き上がるのも一苦労だし、洗面所に歯磨きに行くだけで重労働。思うように動けないので寝て過ごす事が多い一日だった。ずっと寝ていて腰が痛いので腰の下に枕を入れてもらう。痛み止めのおかげか、患部は全く痛くない。

◆入院4日目(術後2日目)
朝食より普通食。やっと尿の管を外してもらい、痛み止めの背中のチューブも抜いてもらう。管関係が全部外れたので、動きやすくなった。病院の廊下の手すりやトイレの手すりの有難さを感じる。シャワーも入れると言うので入る。これまた一苦労である。血栓予防の為、時間がある時にはなるべく廊下を歩くようにする。

◆入院5日目(術後3日目)
やっと食欲が戻りご飯がちゃんと食べれるようになる。お腹の傷テープが傷を押さえる物とそのテープを保護する物と2重になっていて、上のテープを剥がしてもらった。のろのろではあるが立ってトイレにも行けるし廊下もゆっくりではあるが歩ける、シャワーに入って、鏡を見て、髪をとかし、やっと人間に戻った気分。

◆入院6日目(術後4日目)
起きたり寝たりする動作にこんなに腹筋を使うなんて思ってもいなかった。健康第一と改めて実感。明日にでも退院できそうなぐらいに元気なのに、採血の結果が悪く貧血の数値なので注射が増える事になる。傷の所のテープの所がかぶれて水泡になり痛痒い。化膿止めを塗ってもらう。

◆入院7日目(術後5日目)
毎朝採血がある。5日経ってもなかなか熱が平熱まで下がらない。氷枕を借りる。熱があるのに寒いので布団をもう1枚かけてもらう。貧血の注射が増えた。

◆入院8日目(術後6日目)
やっと熱が下がって来た。朝の検診では退院できそうって話だったのに、やはり貧血の数値が悪いので退院できそうもない。

◆入院9日目(術後7日目)
豆乳飲んだりプルーン食べたりしてみる。
エコーの検査をしたら右足に小さな血栓があるとの事。その為、薬がまた増えた。この血栓の朝夕の注射がものすごく痛くて毎回泣きそうになる。

◆入院10日目(術後8日目)
病院で用意されたメディキュットがゴム製の様でアレルギーが出て痒いので家族に家からメディキュット持って来てもらう。朝夕の検温の時に足の脈を計ってもらう。

◆入院11日目(術後9日目)
手術前ではこの日が退院予定日だったが、血液検査の結果が相変わらず悪いので退院できず。土日に外泊できないかと聞いてみるが、朝夕の注射があるうちはダメと言われる。

◆入院14日目(術後12日目)
血液検査でヘモグロビン値がやっと2桁になったので注射が1本減る。退院までもう少し。

◆入院16日目(術後14日目)
朝の検診で、今朝の血液検査の結果次第では今週中に退院できるかもと言われる。注射も朝のぶんで終わりになった。
昼からの血栓の検査でも問題ないと言われ、バタバタと明日の退院が決まる。

◆退院(術後15日目)
午前中に退院。外に出るとあまりの暑さに倒れそうになる。病院内は気温が安定していて過ごし易かったんだなぁとしみじみ思う。
とにかく出血しないように、転倒して頭打たないように、血が出たり内出血したら夜中でもすぐ連絡して下さいと言われる。車の運転や、重い物を持たないように、血栓の薬を飲んでいるので出血をしたら止まらないから納豆など食べれないものも沢山ある。が、帰れた事が本当に嬉しい。

◆退院後5日目
血液検査&検診で来院。
血腫も2ミリぐらい小さくなってるそうでよかった。ヘモグロビン値も2桁キープ。

◆退院後15日目
血液検査&検診で来院。
数値は落ち着いてるのになぜか薬が増えた。経過いいので日常生活ぐらいなら運転や重い荷物もいいですよと言われた。ウキウキしてたら先生に、普通はやっと仕事復帰するぐらいなんだからくれぐれも無茶しないように、と釘を刺される。とっくに大阪二往復しましたとは口が裂けても言えない(笑)

◆退院後1か月が経ち、今は健康そのものです。退院してすぐの頃は、ちょっと長く立っていると脂汗が出て辛かったり、階段も一段ずつしか上り下り出来なかったんですが、今はもう大丈夫になりました。まだ腰にベルトをしている方が楽なので、傷口を固定する腹帯ベルト(腰痛ベルトみたいなの)を付けてますが、それ以外は特に不便はしていません。
お米や水のペットボトルといった重たい物は相変わらず持っていないけれど、これは家族に感謝の一言です。
薬はまだ飲んでいて、月1回の採血と検診はありますが、数値としてはよくなってきているようです。
改めて健康第一と健康の大切さを感じました。

trackbacks

trackbackURL: